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歯周病の原因

歯周病は様々な因子によって発生します。ストレスやホルモンバランス、薬の副作用や、高血圧・糖尿病といった全身疾患も歯周病の因子となり得ますが、 最も主要な原因は、口腔内に蓄積されるプラーク(歯垢)であると言えるでしょう。

私たちの口腔内に存在する細菌、主に虫歯の原因ともなるミュータンス菌は、口腔内に残る糖質を使って、菌体外多糖類(グリコカリックス)を生産します。グリコカリックスはネバネバした物質であり、 この物質を使って様々な菌がくっつきあい、バイオフィルムと呼ばれる細菌集団を形成します。バイオフィルムには抗生物質などの外敵から身を守るためのバリアが張られており、殺菌に対して耐性を持っています。

このようなバイオフィルムプラーク内で増殖した様々な菌は、酵素や毒素を放出し、歯周組織を破壊します。 また、それらに対して免疫反応が働き、白血球の一種であるマクロファージが、サイトカインという情報伝達タンパク質や、情報伝達物質(ケミカルメディエーター)を分泌します。 その結果、炎症反応とともに、破骨細胞が出現し、歯槽骨が破壊されることになります。

歯周病の原因菌としては、様々な菌がありますが、毒性の強いものとして代表的なものに下記があります。
・アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンスロイコトキシンという毒素を出し白血球を破壊する。
・ポルフィロモナス・ジンジバリス  リポ多糖(LPS)という毒素を出し炎症や骨破壊を発生させる。
・プレボテラ・インテルメディアリポ多糖(LPS)という毒素を出し炎症や骨破壊を発生させる。
・トレポネーマ・デンティコーラ タンパク分解酵素と免疫抑制因子を放出する。

厚生労働省による平成17年歯科疾患実態調査によれば、中度以上の歯周病(歯周ポケットが4mm以上)の人は、20代で約15%、30代で約24%、40代で約36%、50代で約45%、60代で約50%にのぼります。